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経営品質について

経営品質とは

顧客満足(CS)経営研究から日本経営品質賞創設へ

バブル経済崩壊後の1993年、顧客満足経営に先進的に取り組む大手企業20社により顧客満足経営のあり方を検討する研究会が発足しました。顧客価値と経営システムの繋がりを掘り下げる過程で着目したのが、米国競争力強化に貢献した「マルコムボルドリッジ国家品質賞(MB賞)」です。1994年に(財)社会経済生産性本部(現・日本生産性本部)が研究会活動を引き継ぎました。100社の参画を得て、その後2年間にわたり、日本版の顧客価値経営の評価基準づくり、表彰制度検討、パイロット審査の実施、産業界へのアンケート調査などの多様な研究を行いました。
研究成果をもとに、1995年12月、顧客価値を中心として経営革新を進めるモデルとなる組織を表彰する制度として「日本経営品質賞」が創設されました。

マルコムボルドリッジ国家品質賞の背景

1980年代の米国は、日本やドイツに比べて品質が大きく劣り、競争力が低下していました。1985年レーガン政権設立の産業競争力委員会ヤング会長がまとめた「ヤングレポート」、マサチューセッツ工科大学・産業生産性委員会が10年の研究の上1989年に発表された「メイド・イン・アメリカ〜復活への提言」など、米国の問題点や根本原因を深く追求する研究が行われました。
レーガン政権が力を入れていたSDI(戦略防衛)構想では、米国以外の製品を使わなければ実現できないという現実に直面し、米国製品の品質向上が国家の重要課題と結論づけられました。「品質」問題が重視されるなか、「品質」は顧客と競争のあり方で決定される戦略的なものとして捉えられました。戦略的に品質を高めるには、リーダーシップ、戦略、人材、情報など、経営の全ての要素を顧客とその成果に結びつけて考えること、すなわち全体最適で経営を考えることが重要である、とされました。マルコムボルドリッジ国家品質賞は、「リーダーシップ」「学習組織」「知覚品質」という考え方に、日本やドイツでの実践事例を参考に「事実に基づく判断の重要性」「改善する文化」「長期的な視点での戦略」などの視点が加わり、産学官の識者を集めた徹底的な議論の末、1987年8月20日に制定された連邦法100-107号に基づいて、大統領が直接表彰する制度として誕生しました。

マルコムボルドリッジ国家品質賞の第一の特徴は、どんな組織でもシステマティックに展開できる方法論を確立したことです。それは、(1)どの業種・業態にも共通する枠組み、(2)枠組みを用いた見直し方法、(3)見直し実施後の評価ガイドライン、の3点です。第二の特徴は、共通の枠組みを用いているので、業種や業態を超えて学習出来たり、他の経営者に対しても優れた事例が提供出来たりすることです。第三は、共通する枠組みを含めて時代の要請にあわせて変更する、という点です。 日本経営品質賞を含めた経営品質向上プログラムも、こうした米国マルコムボルドリッジ国家品質賞の特徴を踏まえ、とりわけイノベーションに焦点を当ててプログラムの見直しを続けています。

経営品質向上プログラムの概要

経営品質向上プログラムとは

卓越した経営(ビジネス・エクセレンス)を目指して、どの業種・業態の組織にも共通する枠組みを用いて経営全体の状態を尺度(ガイドライン)よって振り返ることを「セルフアセスメント」と捉えます。セルフアセスメントの方法を用いて、経営を革新できる状態に組織の能力を高めていく一連のプログラムが経営品質向上プログラムです。

経営品質向上プログラムの特徴

(1) どんな組織でもシステマティックに展開できる方法論として確立していること
(2) 共通の枠組みを用いているので、業種や業態を超えて学習できることこと
(3) 時代の要請にあわせて共通の枠組みを含めた方法も変えていくこと

このプログラムは1996年に(財)社会経済生産性本部(現・日本生産性本部)が設立した会員組織である経営品質協議会が中心となって推進しています。具体的には、月例研究会、人材育成プログラム、革新支援、海外への調査団派遣、資料/書籍の頒布、等のサービスを提供し、経営品質向上活動の普及啓発に努めています。

経営品質向上プログラムのアセスメント基準

どんな業種・業態にも共通の枠組み

このプログラムは、どのような組織でも展開できる共通の枠組みを用いているので、業種や業態を超えて学習することができます。

組織プロフィール

経営全体の状態を振り返る尺度

日本経営品質賞のアセスメント(評価)基準では、組織全体の状態と上の枠組みにおけるマネジメント要素ごとの状態を評価するガイドラインを用いて自社の経営全体を振り返ることで、経営革新を進める上での気づきを得ることができるよう設計されています。

レベル 評点 内容
AAA 900〜 革新軌道に乗って最高の成果を生み続けている
AA 700〜899 組織全体で学習することにより、大きな価値を生み出している
A 500〜699 求める価値を戦略的に考え、行動している
B 300〜499 過去の枠組みにもとづく改善から革新へ向かい始めている
C 100〜299 過去の枠組みの中での改善行動
D 〜99 改善に向けた取り組みが見られない

「2012年度版日本経営品質賞アセスメント基準書」組織全体をあらわす評点総括 (抜粋)

このガイドラインは、アメリカの品質管理の専門家フィリップ・クロスビーによる成熟度モデルを原型としています。この成熟度モデルはその後、カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所のハンフリー教授らがソフトウェア組織の成熟度モデル(CMM)を開発し、組織のマネジメント能力を高めることでソフトウェアの品質も高まったことから、多くの民間ソフトウェア組織で導入されています。

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